ビルド解説:クロスボウファイター
ファイターの鉄板ビルドであるクロスボウビルドの解説
ビルド概要
特技のクロスボウの達人と射撃の名手を主軸に、ハンドクロスボウで戦うファイター。
具体的には射撃の名手の命中ペナ宣言で火力を固定値で底上げし、ファイターの攻撃回数の多さとクロスボウの達人のボーナスアクションによって手数を稼いで与ダメを稼ぐ。
ビルド解説
種族
いきなり特技を1つ習得できる ヒューマン(ヴァリアント) を選択する。特技はクロスボウの達人を選択しよう。
ヒューマン以外でもビルドは成り立つが、特技を1つプレゼントされるようなレギュレーションでもない限りは完成が遅れるのであまりお勧めできない。
特技:クロスボウの達人
1つ目の柱。攻撃の手数を増加させるのが主目的。LV3以下なら初期習得でこちらを選ぶのが無難かな。
- 習熟しているクロスボウの「装填」特性を無視する
- クロスボウでも複数回数攻撃ができるようになる
- クロスボウ以外(ライフルとか)の装填特性は無視できない
- 5ft以内に敵対クリーチャーがいても遠隔攻撃ロールは不利にならない
- 攻撃面では接敵されても気にならなくなる
- ACは弓職のそれと同じなので前衛のようにはふるまえない
- 片手武器で攻撃アクションをした場合は、ボーナスアクションでハンドクロスボウによる攻撃が行える
- 攻撃回数を稼ぐための重要なファクター
- あくまでもアクションで攻撃しないと起動できないので注意
- また、怒涛のアクションを利用したターンの場合はボーナスが回復するわけではないため、攻撃回数を間違えやすいので注意
特技:射撃の名手
2つ目の柱。ダメージ+10による火力増加がメイン。
- 命中-5すればダメージ+10
- 増加する火力は3d6の期待値(10.5)に匹敵する
- 命中低下は弓術によって緩和されるが、それでも大きな値なのでどうやってケアするかが問われる
- 長処理射撃しても不利にならない
- 常時120ftで射撃できるようになる
- 1/2および3/4遮蔽を無視
- 敵味方の配置状況を気にせず撃てるので強い
能力値
優先度はDEX>CON>WIS>STR=INT=CHA。
ポイント・バイの例
項目 | STR | DEX | CON | INT | WIS | CHA |
---|---|---|---|---|---|---|
能力値 | 8 | 15 | 15 | 10 | 14 | 8 |
種族補正 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 |
合計値 | 8 | 16 | 16 | 10 | 14 | 8 |
修正値 | -1 | 3 | 3 | 0 | 2 | -1 |
ポイントは27/27なので余り無し。ヒューマン(ヴァリアント)による種族補正はDEXとCONにしている。
INT・WIS・CHAの配分はメタ次第で変わるが、だいたいは知覚目的のためにWIS優先でいいと思う。明らかにINT・CHA要求が多くなると予想されるセッション・キャンペーンならそちら重視に変えてください。
技能など
DEX系なので、軽業・隠密・知覚あたりは押さえておきたい。
言語はセッションやキャンペーンの傾向次第なので何とも言えない。単発のセッションならセッションテーマからメタって対策を入れてみよう(ドラゴン討伐なら竜語など)中長期のキャンペーンであれば全員でマイナーな言語を習得しておいて、符丁のように使うのもいいだろう。
ファイターの特徴選択
レベルアップ時の選択例。選択の余地が無いものは省略
LV | 選択内容 | 備考 |
---|---|---|
1 | 戦闘スタイル:弓術 | 命中+2 |
3 | 戦士の類型:バトルマスター | 戦技:プレシジョン、メナシング、ゴーディング |
4 | 特技習得:射撃の名手 | クロスボウの達人と合わせて特技完成 |
6 | 能力値上昇:DEX+2(18) | |
7 | 戦技:任意の2つ | ディサーミング、トリップなど |
8 | 能力値上昇:DEX+2(20) | |
10 | 戦技:任意の2つ | ディストラクティング、プッシングなど |
12 | 能力値上昇 or 特技習得 | |
14 | 能力値上昇 or 特技習得 | |
15 | 戦技:任意の2つ | ここまでくると必要なものが残ってない |
16 | 能力値上昇 or 特技習得 | |
19 | 能力値上昇 or 特技習得 |
ファイターは能力値上昇機会が多いので、特技を優先してもLV8でDEX20に到達できる。とりあえず、低レベル時はクロスボウの達人と射撃の名手の両立を最優先にしよう。
サブタイプはバトルマスターがフィットしやすい。特にプレシジョンアタックは射撃の名手で減少する命中を補えるので、高AC相手への切り札になる。
戦技については遠距離なので、近距離前提のもの(ランジング、パリィなど)は習得する意味が無い。高レベルだと余計なものを習得することになるが、別に損はしないので気にせずにやればいい。
LV10以降の能力値上昇は特技習得に充てるのがほとんどになるだろう。もし能力値に振る場合はCONがおすすめ。単純にHP増加量が多く、CON STの値も高くなるので生存性が上昇する。
その他の特技
- 警戒
- イニシアティブ+5で先手を取りやすくする
- DEX20と合わせてイニシアティブ+10が達成できるだろう
- 見えない相手からどつかれても不利にならない点も強い
- イニシアティブ+5で先手を取りやすくする
- 強運
- 判定にD20を振り足せる機会が3回も与えられるチート
- 性向としては後ろ向きだが、高レベルなら持っておきたい
- セーヴ習熟
- DEX
- 利用機会が非常に多いのでおすすめ
- セーヴ習熟の1つ目はこれでいいだろう
- WIS
- 精神系のSTで一番多く使う
- DEX
- 魔法のたしなみ
- ウィザード、ウォーロック、ソーサラー、クレリック、ドルイド、バードのLV1呪文が得られる。
- 呪文の発動能力修正値が関係しない呪文との相性がよい
- 選択例:ウォーロック・へクス
- 与ダメの増加が見込める
- 難点は構成要素がV・S・Mなので、焦点具(ポーチ)をどう持つかが論点になる
- ハンターズマークならVだけで済むが、レンジャーは選べない
- また、ボーナスアクションを要求されるので、使用ターンの与ダメが低下してしまう点には注意
- ボス戦など、戦闘時間が長くなる局面で使いたい
- 持続時間は1時間なので、精神集中さえ維持できれば時間は気にしなくていい
- 射程が90ftしかないので、ハンドクロスボウの長射程よりも短い点に注意
- 選択例:ウィザード・シールド
- リアクションでAC+5
- 機会攻撃できないのでリアクションには余裕があるはず
- 構成要素もV・Sなので問題にならない。
- 選択例:ウィザード・アブソーブエレメンツ
- リアクションで酸・電撃・火・冷気・雷鳴のいずれかの抵抗を得られる
- 与ダメの追加は近接攻撃限定なので恩恵が無い点には注意
- どうせ機会攻撃できないので活かしようがないが
- 構成要素がSだけなのも魅力
- 片手は常に空いているはずなので要素条件は問題なし
- 選択例:クレリック・ブレス
- 射撃の名手で低下する命中に+1d4を狙う
- 1アクション要求なので、戦闘開始前などで事前にかけておきたい
- 精神集中が必要な点には注意
- 刺し貫き屋
- 武器ダイスは1d6しかないが、振り直しができる
- Cri時の恩恵が増える点はうれしい
- 戦闘スタイルのたしなみ
- 追加の戦闘スタイルが得られる。候補は2つ
- 防御:シンプルにAC+1がうれしい
- 無視界戦闘:10ftではあるが暗闇の中でも不可視の相手でも問題なく撃てるのは強い
- 追加の戦闘スタイルが得られる。候補は2つ
- フェイの力宿すもの
- ハンターズ・マークが占術なのでそれ目当て
- へクスに比べると、ダメージ種別が刺突になる、音声のみで撃てる、対象を見つけ出すための判定に有利などの違いがある
- ミスティ・ステップはボーナスアクションこそつぶれるが、緊急脱出用に大いにあり
考察
立ち回り
ロングボウに比べると射程こそ短いが、基本的には通常の弓職と立ち回りは変わらない。5ft以内でも不利にならないとはいっても敵に接近されないように注意し、自分の射程ギリギリから撃つ方がよい。
攻撃時は当てつづけるのが重要であるとか、宣言なしでも倒せるようなケースでなければ基本的に射撃の名手の命中ペナを宣言する。宣言なしだと本当に火力が低いため、当たったところで全く火力が出ない。
基本的な装備
武器は特殊なマジックアイテムがないため、プラス付きのハンドクロスボウをいかにして入手するかがカギになる。序盤でも早期に+1を入手したい。
矢弾は消費が激しいので多めに積んでいこう。
鎧はDEX系なので軽装でよい。当面はスタデッドレザーとDEX20でAC17が基本になるだろう。DEXが低いうちは中装鎧を検討しても良い。
片手武器職ではあるが、Sage Advice曰く盾装備はNGとなるようだ(最低でも片手が空いていなければいけない)
参考:Do you need two hands to load a hand crossbow?
他のサブタイプ
バトルマスター以外のサブタイプについても考察してみる
- チャンピオン
- クリ発生率が上昇するのが強みだが、与ダメが1d6しか増えないので微妙
- 戦闘スタイルは2つ目を防御にすればAC+1にできるが、訴求力はない
- エルドリッチナイト
- シナジーがほとんどない
- 初級呪文や1アクションの呪文後にボーナスで武器攻撃ができるようになるが、うーん
- アーケインアーチャー
- 秘術射撃は残念ながらロングボウまたはショートボウ限定なので問題外
- キャヴァリアー
- シナジーがほとんどない
- サムライ
- 侍魂がボーナスアクションでかち合ってしまうのが難点
- 有利を得るよりも射撃回数を増やす方が強いだろう
- 連撃は強力なオプションだが、侍魂以外にに有利を安定的に得る手段が必要になるだろう
- ロマンすぎる
- 侍魂がボーナスアクションでかち合ってしまうのが難点
- サイ・ウォリアー(TCoE)
- サイオニック打撃が乗るが、1回だけなので微妙
- ほかの特徴はアタッカーとしての役割にかみ合わない
- ルーン・ナイト(TCoE)
- 巨人の剛力が乗るが、1回だけなので微妙
- こちらも遠距離攻撃者としてはかみ合わない特徴が多い
基本的にバトルマスター安定。
命中をどう稼ぐか
永遠の問題。弓術+2、ペナ-5なので常時-3の状態で戦わなければならない。このため、高ACに対してどう対処するかが問題になる。
命中を上げる方法としては考えられるのは以下
- ハンドクロスボウに+をつける
- もっともベーシックなところ。最大で+3
- +3はヴェリー・レアだができる限り達成したい
- 矢弾に+をつける
- 本体とあわせて最大+6にできる
- クロスボウ本体よりも難易度が高い
- 消耗品なので安定的に供給があるかが問題になる
- プレシジョン・アタック
- 出目最大なら8・10・12を加算できる。期待値なら4.5、5.5、6.5
- ACが割れている状況ならd20のロールを見てから加算できるのが大きい
- ブレス
- 基本バフ
- 1d4加算されるだけとはいえ心強い
- 習熟ボーナスの増加
- 所定のレベルに到達すれば上昇する
- ただ、これらはPL側でコントロールできる話ではない
- レジェンダリーのアイウーンストーンでも上がる
- 入手性に難がある
- 同調枠はあまり問題にならない
- 所定のレベルに到達すれば上昇する
- DEXの限界突破
- DEXを20を超えて修正値を上げていくスタイル
- 方法は2つ
- ヴェリー・レアの書物を読む
- 複数回入手するのは厳しい
- 偉業の証
- LV20でないと達成できない
- ヴェリー・レアの書物を読む
矢弾の消費
想像以上に矢弾をバカスカ消費する。2桁台だと本当にあっという間に枯渇するので甘く見ないほうがいい。矢弾の枯渇は低レベルのうちにしか問題にならないように思えて、中盤ぐらいからプラス付きの矢弾の入手と消費で悩まされるので一生付きまとう問題である。
武器威力の弱さ
なんといってもダメージダイスが1d6しかないので弱い。期待値がたったの3.5しかない。
このため、クリティカルが出てもダメージダイスはグレートソードやモールと変わらないのだ。何ならグレートソードのフレイムタンを持った奴は何もしなくても4d6で殴っている。
ダメージダイスは戦技で伸ばせるが、1個だけである。あとはホーリーウェポンなどを併用すればかなり強力になるか。回転数があるのでホーリーウェポンの適用先としてはかなりアリだとは思う。
まとめ
名手宣言時のダメージをいかにして当てていくかが勝負のビルド。全部きれいに当たると恐ろしいダメージになるのでぜひ試してほしい。